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ごゆっくりしていって下さい

竜は、飛ぶ時に羽を必要としない。

割と空気が澄んでいた。ただ、少し肌寒く薄着で外に出てしまったのを後悔した。嫌な予感は常につきまとっていたが、まさか竜を飼うことになろうとは思いもしなかった。

 

少し歩いた丘の先で僕はのんびりと休憩していた。2人ぐらい座れる古ぼけたベンチに座りながら、ただただ時間を消費することを楽しんでいた。

そんな時、空を見上げると割と小さめなゴールデンレトリバーぐらいのサイズの竜がいた。竜と言えば、トレーラーより大きいサイズをイメージしていたが、これがリアルの竜なのかということを知った。それは、まさに漆黒のドラゴンと呼べるに等しかった。よく見ると、そんな竜は傷を負っていたし、他の人間たちに攻撃されていた。気づいたら僕はその竜の方向へ走っていた。僕は竜を助けることにして、その人間たちを言葉巧みに誘導して竜と引き離した。人間は、竜のことを神聖な生き物だと思っているため、なぜ攻撃しているのかも結局わからなかったが、僕は真っ先に竜を助けることを選んだ。

その後竜は、僕にお礼を言い、僕は仲良くなることで竜の背中に乗せてもらった。竜の背中は意外と捕まりやすくて安定していた。僕は何度も君は羽を広げなくていいのかい?と聞いた。どうやら竜は羽を広げずに飛ぶことができるらしい。羽は威嚇のためだけに使う、とそう教えてくれた。

僕たちは天上の崖と呼ばれる場所まで行き、そこの小屋でその竜を飼うことにした。竜は、なぜか僕のペットになることを決めたらしい。僕が困っている時には一緒に戦いたい、そう言った。

その少し前、僕と竜は天空で他の竜と交戦し勝利を収めていた。竜の炎は熱く敵の竜の鱗を溶かしていった。

その時も竜は、僕が一緒にいてくれると元気が出ると嬉しいことを言ってくれた。

この後のことはあまりに悲劇であり、僕も思い出したくもないのでここで幕を閉じることにする。